「編集力」を強化したい人のための最初の1冊!
ブログ主に編集力が未だ不十分だからという自戒も込めて、
今月は勝手に「編集力強化月間」にしてみました。
第一弾はこれ。
■『はじめての編集』(著)菅付雅信
- 作者: 菅付雅信
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2012/01/12
- メディア: 単行本
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著者の菅付氏は編集を下記のように定義しています。
編集とは、企画を立て、人を集め、モノを作る事。
言葉とイメージとデザインの3要素を駆使したアンサンブル。
編集は本や出版社などのオールドメディア固有のものだと思われがちですが、
上記の定義からしてみれば映画もゲームも音楽もブログも広告も、みーんな編集力が必要な事柄になります。 というより仕事全般、ひいては生きる事自体に編集力が必要であるといっても過言ではありません。
そんな編集力を鍛えるための最初の1冊として本書は超優秀な一冊。
タイトル通り「編集」の入門書という位置付けですが、
そもそも編集とはどういうことなのかという原理的な話から、
どうすればもっと良い編集になるのかという具体的な実例を交えて、
極めて有用な助言が数多く記されています。
(歴史的な背景の説明もあるため、メディア論の入門書としてもとても有益な本です。)
また、いわゆる「まとめ」系サービスのような二次的情報の“キュレーション”と相対的に減っているファーストハンドの一時的情報を生み出そうとする行為である“編集”を明確に区別している事も興味深い。
最終章で著者は大胆にも「美しさ」を次のように簡潔に定義し、
勉強の意義についても触れている。
美しさとはきまりがあること。勉強とは、新しく魅力的な「きまり」を創れるようになるためにするものだと思います。そして編集は、物事がより魅力的に見えるように、絶え間なく新しいきまりをつくり続けていく行為でもあります。
上記のような美の定義をドゥルーズなんかが聞いたら凄い形相で反論してきそうだが、1つのモノの見方としては「序破急」的な正統な主張であるように思う。少なくとも本書によって私の中にあった編集に対する固定観念が崩れ、新たな編集の概念によって世界が広がったような感覚を覚えた。
というわけで声を大にしてオヌヌメを叫びたい。