SUR PAROLE

言葉にのって

『町のわすれもの』

町の忘れもの (ちくま新書)

町の忘れもの (ちくま新書)

ひたすらレトロスペクティブになりがちなこの手の企画ではあるものの、そういった懐古厨的なスタンスに、著者のなぎら健壱が自覚的に振る舞っているため、全体的に鼻につかない心地良い文章が楽しめる。

懐かしくも全く知らなかったような「忘れ去られた文明の利器」が粋なモノクロ写真付きの文章から読者に迫ってくる。

本書で紹介されたようなモノはどれも歴史的な必然性から生まれたものです。

「古きに学ぶ」ではないですが、
企画やモノ作りに携わる方にはアイデアが生まれる源泉になるような素敵な本です。