トランスペアレンシー・インターナショナルが怪しい国家ランキングを組んでおります。
世界汚職国家ランキング、北朝鮮とソマリアが今年も最悪
http://www.cnn.co.jp/business/35025451.html?tag=mcol;relStories
直観的にはこの汚職度ランキングの順位にはそこまで違和感無いんだけど、
このランキングの順位付けに関する記述が・・。
トランスペアレンシー・インターナショナルは、汚職の横行が最もひどい状況をゼロ、最も清潔な状況を10としてポイントを算出した。同団体のホームページによれば、公式統計の数字が実情を示しているとは限らないため、ポイントは「公共部門の汚職に対する評価を提供する立場にある人々の認識」に基づいて算出されたという。
いや、いいですね~この怪しさ。
「公共部門の汚職に対する評価を提供する立場にある人々の認識に基づいて算出」ってどういう基準でどのくらいの母数で算出されてるか非常に興味があります。
これって、極端な話そこらへんに転がってるコンサル業者呼んできて「わしゃ~、あの国けしからんと思います。」という言質を取ったら減点 みたいな事も可能なわけで。そもそも「汚職」として白日の下に晒されている氷山の一角しかデータに加算できない事に加え、埋もれている分を評価者の主観によって推測するしかないではないか。
はっきり言ってしまえばこの手のデータに統計的価値は皆無であって単純に政治的な力関係で出てきてしまった感じになんとも言えない好感を覚えます。
しかもホームページを見てみたら、
おい、ボランティア=アマチュアとは限らないですが、
どこぞの馬の骨かもわからん方々に評価活動の一端を担わせるでない。
というわけで来年の順位変動とその論拠についても大いに期待する次第でございます。
ドライな正しさと優しい欺瞞の境界
先日、娘が「パパとママが小さかった時、〇〇ちゃん(娘の名前)はどこにいたの?」と質問してきた。
子供の時に誰もが親や兄弟に聞いてしまうゾッとするような性的タブーとは微妙に違うが、ドキリとして「とうとうきたかこの手の質問・・・」と呟かずにはいられなかった。答えの選択肢は2つあった。
①「まだこの世界にはいなかったんだよ」
②「パパやママの一部だったんだよ」
①は生物学的には正しい。だがある意味では娘との紐帯を切るようなドライな回答だ。
②は受精前後数日という条件であれば正しいが、「パパとママが小さかった時」であれば生物学的には誤っている。しかし、ある意味では娘の心情を察した回答だとも言える。
結論から言ってしまうと、
結局①の若干ドライとも思える回答を選択する事にした。
理由は簡単で、②より①の方が相対的に正しい答えだと考えたからだ。
誤解して欲しくないのは、必ずしも②は間違った答えではないという事だ。何故なら、遺伝子レベルで論じるならば文字通り私と妻の体の一部として小さい頃から存在してきたわけで、
そういう意味では②の回答は正しいとも言えるからだ。
しかしながら、4歳の娘は遺伝子レベルでの回答を求めたのではなくて、
あくまで娘自身の存在そのものがどこにいたかを不思議に感じて私に質問したのだと考えられる。
そうであるとすれば、娘と呼べるような身体や精神(そもそも両者は分けるべきではいですが)は、私達両親が小さかった頃に存在していなかった事は紛れもない事実なのだから、それを誤魔化す理由もなければ、妙な解釈をした②のような欺瞞的な回答をするよりは、直截的な事実を述べた方が良い。
正直言えば客観的な事実を突きつけた時に、娘が実際どのような反応をするかという事にも興味があった。
実のところ娘は上記の回答を聞いて少し首を傾げた後に満面の笑みでこう言ったのだ。
「え!?いなかったんだ~(ニコニコ)」
まぁ、こんなもんですよね。
『町のわすれもの』
- 作者: なぎら健壱
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 4回
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ひたすらレトロスペクティブになりがちなこの手の企画ではあるものの、そういった懐古厨的なスタンスに、著者のなぎら健壱が自覚的に振る舞っているため、全体的に鼻につかない心地良い文章が楽しめる。
懐かしくも全く知らなかったような「忘れ去られた文明の利器」が粋なモノクロ写真付きの文章から読者に迫ってくる。
本書で紹介されたようなモノはどれも歴史的な必然性から生まれたものです。
「古きに学ぶ」ではないですが、
企画やモノ作りに携わる方にはアイデアが生まれる源泉になるような素敵な本です。
『鈴木先生』
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/09/07
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 48回
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以前たまたまテレビを付けた時に第一話だけ見た『鈴木先生』。
Huluにあったので妻と鑑賞。
同じ学校生活を舞台にした『桐島、部活やめるってよ』や
『告白』よりもやや説明的すぎる部分があるものの、
演出方法や着眼点にテレビドラマらしからぬ優れた点が多々見られる。
見る者の内側を抉ってくるような鋭い内容である事だけではなく、
娯楽作品としても完成度が高い。
こういう文学性と娯楽性が程良いバランスで両立している作品を
近年テレビで見た覚えがなかったので、正直驚いた。
今年公開される映画版にも期待。
差し当たり残り8話あるので、存分にしゃぶり尽くそう。
「編集力」を強化したい人のための最初の1冊!
ブログ主に編集力が未だ不十分だからという自戒も込めて、
今月は勝手に「編集力強化月間」にしてみました。
第一弾はこれ。
■『はじめての編集』(著)菅付雅信
- 作者: 菅付雅信
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2012/01/12
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 116回
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著者の菅付氏は編集を下記のように定義しています。
編集とは、企画を立て、人を集め、モノを作る事。
言葉とイメージとデザインの3要素を駆使したアンサンブル。
編集は本や出版社などのオールドメディア固有のものだと思われがちですが、
上記の定義からしてみれば映画もゲームも音楽もブログも広告も、みーんな編集力が必要な事柄になります。 というより仕事全般、ひいては生きる事自体に編集力が必要であるといっても過言ではありません。
そんな編集力を鍛えるための最初の1冊として本書は超優秀な一冊。
タイトル通り「編集」の入門書という位置付けですが、
そもそも編集とはどういうことなのかという原理的な話から、
どうすればもっと良い編集になるのかという具体的な実例を交えて、
極めて有用な助言が数多く記されています。
(歴史的な背景の説明もあるため、メディア論の入門書としてもとても有益な本です。)
また、いわゆる「まとめ」系サービスのような二次的情報の“キュレーション”と相対的に減っているファーストハンドの一時的情報を生み出そうとする行為である“編集”を明確に区別している事も興味深い。
最終章で著者は大胆にも「美しさ」を次のように簡潔に定義し、
勉強の意義についても触れている。
美しさとはきまりがあること。勉強とは、新しく魅力的な「きまり」を創れるようになるためにするものだと思います。そして編集は、物事がより魅力的に見えるように、絶え間なく新しいきまりをつくり続けていく行為でもあります。
上記のような美の定義をドゥルーズなんかが聞いたら凄い形相で反論してきそうだが、1つのモノの見方としては「序破急」的な正統な主張であるように思う。少なくとも本書によって私の中にあった編集に対する固定観念が崩れ、新たな編集の概念によって世界が広がったような感覚を覚えた。
というわけで声を大にしてオヌヌメを叫びたい。
『タブーの正体!-マスコミが「あのこと」に触れない理由』
タブーの正体!: マスコミが「あのこと」に触れない理由 (ちくま新書)
- 作者: 川端幹人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/01/05
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 111回
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これは予想外の収穫。
ある時は暴力への恐怖から、ある時は経済的な圧力からタブーが創出していく様子を実例を交えながらスリリングな筆致で炙り出した良書。
広告費がメディアに対する口止め料の役割も兼ねていたり、利権を与える事によってメディアを利益共同体に取り込むといった具体的な裏事情が満載。
メディアリテラシーを鍛える上での必読書。